心意気インタビューとは、地域の「ヒト・モノ・コト」の心意気を発見していくコンテンツ。
今回の取材先は山形県立米沢商業高等学校 商業研究部の皆さん。
少子高齢化で、子どもの数が年々減っている昨今。統合等で閉校する学校も増えてきました。山形県立米沢商業高等学校もそのひとつです。今回、閉校記念品を製作した商業研究部の生徒さんからご依頼があり、取材させていただきました。
この記事で読めること
商業研究部の皆さんへのインタビュー
製作に携わった生徒さんは何人いらっしゃいますか?
シシド先生
3年生と合わせ、計15名で製作しました。
記念品を作ろうと思ったきっかけを詳しく聞かせてください
エルさん
令和7年4月に米沢商業高校と米沢工業高校が統合して、米沢鶴城高校が開校します。
そのため、米沢商業高校として取り組む最後の研究テーマを「閉校」とし、閉校記念品を製作して販売することで、学校の魅力を再認識してほしいと思ったからです。
記念品のテーマや、今回の記念品にした理由はございますか?
エルさん
コスト面を考えて、制服生地をうまく活用できるものにしました。
あと、校章が入ってる商品はすぐに見て「米商だ!」とわかっていただけるよう工夫しました。
大変だったことや苦労したことはございましたか?
エルさん
制服生地の商品を製作していただける企業様を探すことと、私たちで試作品を製作したのですが、それが上手くいかなかったことです。あとは仕入れ値がとても高くなってしまったり、売買などを企業さんとたくさん話し合ったことです。交渉が初めてだったのでとても緊張しました。
一つひとつ、皆さんでつくりたい記念品の案を出し合ったのですか?
エルさん
はい!15人全員で考えました。
他にもいろんな記念品の案が出ましたか?
エルさん
ブルゾンやヘアターバンなども出ましたね。
記念品の種類がたくさんありますが、一押しの記念品はございますか?
エルさん
名刺入れですね!販売会で「部員一押し商品」として販売しました。
大人になってからも使えますし、名刺交換で名刺入れを出した時に話題が1つ増えると思います。
記念品を紅花まつりなどでも販売されてましたが、
販売する中でお客様の反応はどうでしたか?
エルさん
「懐かしい」といった声が1番多かったです。
今、約50代以降のOB・OGの方々はこの制服じゃなかったみたいなのですが、
そういった方たちは校章商品にとても興味を持たれていたのが印象に残ってます。
ナナミさん
記念品を見て「これいいね」と言ってくださるんですけど、値段を見ると「高いね…」と買っていただけなかったりもしましたね…。
アユミさん
お一つだけ購入してくださる方もいれば、まとめ買いをしてくださるお客様もいらっしゃって、びっくりしました。
ミユさん
道の駅で販売した時はとても多くの方が来てくださったので、会計やアンケートが追いつかなくなりました。ですが、米商って愛されているんだなと感じ嬉しくなりました。
ミヅキさん
先輩がおっしゃっていた通りすごく大量に購入してくださる方がいたり、卒業生の方がいろいろ話しかけてくださったり、米商って愛されているんだな~と思いました。
メイさん
この部活に入って、お客様との関わりなども初めてだったのでとても難しかったのですが、先輩たちを見て「すごいな」と思いました。
ミツキさん
売れる商品と売ることが難しかった商品がありました。
セキさん
お客様と話す販売会に初めて参加したのですが、お客様に喜んでいただけたので私たちも嬉しくなりました。
ユナさん
記念品を手に取っていただけた時、米商のOB・OGの方がほとんどでしたが、米商での思い出を話してくださりました。行列ができた販売もあったので、ミユ先輩が言っていた通り、愛されているからこそなのかなと思いました。
普段の授業や活動の中で、実際にお客様と関わる機会は多いですか?
エルさん
なかなかないですね。商業研究部だけだと思います。
企画の案出しや記念品の製作・販売をしていく中で、楽しかったエピソードは何ですか?
エルさん
卒業生の世代は全然違うんですけど、高校時代の思い出などを話される方が多くて、世代は全然違うけれど、共通するものや米商に対する思いは同じだったりとすごく共感できるものがありました。
世代を超えた繋がりっていうのを感じた時が1番楽しかったです。
ミユさん
お客様におすすめした商品を買ってもらった時は嬉しいし、たまに昔の米商のことを話してくれる方がいて、私たちの知らない学校の一面を見れて心が温かくなった時です。
ユナさん
先輩方のお話を聞けたことはとても嬉しかったし、商品を積んだり売る時もそうなんですけど、
買ってくださる方のことを想像して何かをやってるっていうのはすごく楽しかったです。
記念品をつくっていく中で学んだことや気づいたことを教えていただきたいです
ナナミさん
制服の生地自体に付加価値がついているので、高すぎると思う値段で売ってみても、実際は思っていた以上に買ってくださる方がいて驚きました。
アユミさん
女子の制服生地を使ったものと、男子の生地を使ったもので人気の差がすごく、男子の方が全然売れなかったことにビックリしました。
セキさん
高すぎても買ってもらえないし、安すぎても買ってもらえない・・・
やっぱり値段も大切なんだなと思いました。
記念品の全国大会に出場された思い出を教えてください
エルさん
初めて全国大会に出場したんですけど、部員としてその機会に携われたというのは、ありがたいことだなって思います。また、入賞を逃すという悔しい結果になったので、来年こそは入賞したいと思いました。とてもいい刺激をもらえました。
ミユさん
全国大会という大きな舞台に立って、 自分たちよりも遥かにレベルが高い方たちがたくさんいて、本当にすごいなと思ったし、自分もああいった感じになりたいなという憧れも持つことができました。
ユナさん
1年生が私1人でめっちゃ不安だったんですけど、ステージで先輩が声かけてくださったりしたので、あまり不安もなくなり、安心して大会に取り組むことができてよかったし、来年も全国大会に行きたいという目標もできたのでよかったです。
今後の活動に関して、何か構想はございますか?
シシド先生
まだわからないです。実は部活動の来年のテーマが決まってないんですよね。
記念品をつくるのか、旅行プランをつくるのか、何をどうするか・・・
もしかしたら開校の記念品をつくるかもしれません。
今後どのように記念品を使っていただけたら嬉しいですか?
ナナミさん
制服生地を主に使って作られてるので、ぱっと見た時に「これ米商のなんだよね」など話を発展させる種になったり、もう買えない商品なので、自慢できるものに繋がったりしてるといいなと思います。
アユミさん
購入していただいたお客様のほとんどが米商の卒業生だったりするので、巾着とか身近なものを使っていただいた中で、懐かしんでいただけたらなと思います。
メイさん
卒業生の方に ふとした瞬間に米商のことを思い出してもらって、記念品を使ってもらいたいなと思います。
米商の魅力や好きなところも教えてください
ユナさん
行事とか何事にも全力で取り組んでいるところです。
セキさん
検定をたくさん取れる。
ミツキさん
赤ブレザーがかわいいし、検定が取れて将来に活かせるところです。
メイさん
女子が多く楽しい学校だし、将来に役立つと思います!
ミヅキさん
閉校するので、米商生に熱気を感じます。
ミユさん
行事になると全力で楽しむ人が多くいるので、いい意味でも悪い意味でも賑やかだなと思います。
エルさん
普通科の高校ではできないことをたくさん経験、体験できる学校です。
あとは先生たちが個性豊かでとっても楽しいです。
アユミさん
就職に有利っていうのもあるんですけど、進路を支えてくれる先生方が多くいらっしゃいます。
ナナミさん
「好きでも嫌いなあまのじゃく」の映画のワンシーンに入るくらい地域に愛されてるから、私たちが活動する上でも地域企業からの 支援もあって、地域に根強くある高校なのかなと思います。
閉校する上で、米商に対する想いを教えてください
エルさん
私が通う高校が閉校するのはとっても悲しいんですけど、卒業生も含め私たち在校生も、米商での素敵な思い出がたくさんあると思うんです。
その米商に対する想いはみんな同じで変わらないと思うので、前向きに捉えて鶴城高校の学校生活も頑張りながら楽しみたいと思います。
最後に皆さんから記念品のアピールポイントや、今後の意気込みをお願いします
ナナミさん
制服と閉校が合わさった今しか買えない商品なので、売り切れる前にぜひご購入ください♪
ミユさん
米商は周りも賑やかで楽しい仲間もいっぱいいて、毎日楽しく学校に来れているので、鶴城高校になっても変わらずに好きなところとしてアピールしていきたいです。
エルさん
米商生はみんな明るくてポジティブで生徒だけじゃなく校長先生もすごいガッツがあって、「やればいける」みたいな精神で背中を押してくれるタイプです。
そういった元気で明るいところは鶴城高校になっても変えずに頑張りたいと思います。
また私たちの商業研究部っていう部活も、たくさん閉校記念品を販売するなど、いろんなことを経験させていただいているので、そういった活動も鶴城高校になっても広めていきたいと思います。頑張ります!
取材を終えて 商業研究部の皆さんの心意気とは
記念品で広がる「米商愛」のご縁
生徒さんが印象に残った話で一番多かったエピソードが「米商が愛されていることを世代を超えて実感した」こと。もう目にすることができなくなってしまう制服や校章を残すために、商品化した生徒さんの想い。お話を聴いているとOB・OGのお客様に確実に伝わっていると感じました。
「鶴城高校になっても、米商らしい明るさを忘れずに頑張っていきたい」と笑顔で話す皆さん。記念品製作での学び・米商への想いは高校が変わっても、さらに卒業した先でも、記念品と共に持ち続けていってほしいです。